(6)intermission

 愛するフェリシアーノへ

 こんにちは。まずは先日の室内楽の演奏について、感想を。
 素晴らしかった。本当に、素晴らしかった。
 フェリシアーノの隣にいた、金髪のビオラの方が、前に言っていた名前の似ている友達だったのだろうか。彼女の演奏も素晴らしかったと伝えて欲しい。

 できれば毎回聴きに行きたいのだが、仕事と重なるとどうしても行けない時があるのがとてももどかしいと思う。それでも、時を空けて聴く度に、フェリシアーノの演奏が更に良いものになっている事が、貴女の努力の証なのだと、誇らしい気持ちでいっぱいだ。
 サロンコンサートも、夏休みにも沢山話したが、今でもフェリシアーノの演奏が思い出される程、素敵なコンサートだった。次の演奏会にも、是非呼んで欲しい。

 そして、手紙の敬語の件。そんな事があったのか、と納得した。姉の言い分には少し言いたいこともあるが、概ね正しいと思う。手紙は残るからこそ良いものだが、気をつけなければならない点もある。

 そうそう、前回帰ってきた時には、料理を喜んで貰えて良かった。次の帰省の時にも、もし何かリクエストが有れば教えて欲しい。腕によりをかけて作らせて貰うから。それから、何か欲しいものはないだろうか。リードや銀磨きは足りているか?楽器に関係せずとも、服や本など、欲しいものが有れば何でも言ってくれ。とはいっても、自分で選んだ方が良いだろうから、次の帰省の時に買いに行くことになるだろうが。

 またそちらに行く事があれば、必ず連絡する。そちらこそ、練習や仕事で忙しい時にはそう言って欲しい。
 会うたびに、フェリシアーノの成長が楽しみであり、誇らしくもある。
 身体には気をつけて、また手紙を下さい。
 
              いつも貴女を想う  ルートヴィッヒ