あーあ、やっぱりあの時マユゲンジェルぶん殴っておけばよかった。
ち、と舌打ちして見る視線の先には、広場に立った市で、蜂蜜の店を出す女性と和やかに会話を交わす、ドイツの姿。
「ドイ・・・ルートヴィッヒ!俺先に行くよ!」
少し離れた場所からそう呼べば、こちらを見た菫色の瞳が少し焦ったように女性に金を払い、こちらへとやってくる。
「すまない、待たせたな」
「もぉ・・何を買ってたのさ」
自分の隣までやってきた長身を見上げてそう言うと、相手は手にしていた小さな袋を自分に差し出した。
「ーークッキー?」
「あぁ。前に蜂蜜入りのを持ってきたとき、お前好きだと言ってただろう?あの店のクッキーだったんだ。それで、レシピを聴いていた。今度作って持って行くから、機嫌を直してくれ」
確かに女性は神の造りたまいし宝だが、俺にとってはお前の笑顔の方が大事だ、イタリア。
そう言って微笑む男は、どこからどう見てもドイツ、なのだが。
(あぁ、心臓に悪い)
女性とそつなく会話をこなし、臆面もなく愛情を口にするドイツが存在する世界など、誰が想像しただろう。
隠しようもなく紅く染まった顔で、イタリアはため息をついた。
事の起こりは、G8の会議が終わった後の飲み会だった。
「〆切が近いのでまた次回参加させて下さいすみません」と、少し青ざめた顔で飛行機に飛び乗った日本を見送り、二人でビールやらワインやらひとしきり飲んだ、帰り道。
「はーーーーーっはっっはっっはっはははははああ!!!!ブリタニア☆エンジェル キラっと参上ぉ!!」
何やらもの凄くハイテンションで、もの凄く今にも通報されそうな格好の大英帝国が、颯爽と行く手を遮った。
「・・・・・・・・・・・イタ、じゃないフェリシアーノ。そこのすじを右だ」
直進を阻まれ、一瞬ぽかん、とした二人だったが、先に立ち直ったドイツが的確な道案内を開始する。
「そうは行くかこのジャガイモが!だいたいなぁ、お前には可愛げってもんがたりねぇんだよ無駄にでけぇし威圧感ぱねぇし顔とか怖ぇよばかぁ!
ーーよっし、このブリタニア☆エンジェル様が奇跡でもって可愛げってもんを授けてやるからな泣いて感謝しろ!」
「いらんわ!おいフランシスこの変態をどうにかしろ!」
「えーでもドイツ結構可愛いトコあるよー?クマのぬいぐるみ大事にしてたりとか」
「フェリシアーノお前は黙ってろあと名前気をつけろ」
「ていうかよくお兄さんが居るってわかったなー。折角隠れてたのに」
「こいつと飲みに行ったのはお前だろ、責任もって回収しろ!寧ろフランクライヒお前一人だけ安全圏にいるだろう貴様ぁ!」
「おーおーその呼び方ひっさしぶりぃ懐かしー」
「・・・・良い度胸だ貴様そこから動くなよ」
「ど・・・ルーイ銃はダメだよここ市内だよ!?」
「ちょっとまってイタリア!お兄さん市外でも撃たれたくないよ!?」
「あ、ゴメンつい」
「あんなに可愛かったお前がいつの間にかこんな毒を吐くようになるなんてお兄さん哀しいよでもそんなスパイシーな態度も俺好みぃ」
「フランクライヒ貴様よっぽど死にたいらしいな」
「こらお前らさっきから俺の事無視してんじゃねぇ!!」
もーキレたぞ喰らえぇ!!
台詞と共に振り上げられたファンシーな杖に、ドイツはとっさにイタリアを抱き寄せた。
どこか物陰に、と視線を巡らせた瞬間。
ぱぁ、と、夜なのにまるで車のライトに照らされた様に光が溢れ、
「ーーーほあぶぇくし!!!!」
「・・・・・・・・・・・・へ?」
やたら気合いの入ったクシャミの後、路地には沈黙が満ちた。
辺りを照らしていた光は、おそらくイギリスが何時も通り「ほあた」と言おうとしてクシャミに負けた瞬間、弾けて消えて。
「・・・・・あー・・・ようするに、不発か」
助かった・・・
ぽかん、とした顔のイタリアを腕に抱いたまま、安堵の息をつく。
盛大なくしゃみを披露した張本人はといえば、
「ほらもー、そんな格好してるからくしゃみなんか出るんだよ。お兄さんちゃんと服着ろって言ったでしょ?」
「うるせーお前にだけは言われたくねぇよばかぁ!!」
至極正論を吐きながら、フランスに捕獲されていた。
「・・・・・・・・まぁ、その、なんだ。帰るか」
はぁ。とため息をついてそう言うと、腕の中に大人しく収まったイタリアがこくりと頷く。
「じゃあなフランシス、俺たちは帰るぞ」
一応声を掛けると、おぅまたな、と軽い返事。
「よーし、帰ってビール飲もー!」
「またビールか。さっきまであれだけ飲んだのによく入るな・・俺はそろそろビール以外がいいんだが」
「え〜ビール〜!」
その会話に何か違和感を感じたが、フランスが振り返ったときには既に二人の姿は路地の向こうに消えていた。
「・・・・・・まぁ、あいつにもそういう日があるのかもなー」
実はこのときフランスが感じた違和感こそが正解そのものだったのだが、そんな事を知るよしもなく、フランスは目の前の課題に目を戻す。
「とりあえずこいつをどうにかしないとな・・・」
何かを使い果たしたらしい自称・ブリタニア☆エンジェルは、こくりこくりと舟を漕いでいた。
あの日、くしゃみと共に霧散した光の効果が明らかになったのは、それから2日後のこと。
「・・・・・ドイツさん、どうかしたんでしょうか・・」
心配そうな日本がつぶやいた。
いつもの訓練場にいるのは、日本とイタリアの二人だけ。
「珍しくイタリア君が時間通りに来ているのに、ドイツさんがいないなんて・・・イタリア君、何か聴いてますか?」
そう隣の人に尋ねると、イタリアは少し不機嫌な顔で答えた。
「ううん。ーーでもまあドイツだし」
「でもまぁ、とは?」
まるで遅れてくるのは致し方ない、とでも言いたげなその台詞に首をかしげると、青年はだってドイツさ、と話し始める。
「俺と歩いてるのに女の子に声かけてばっかでさ、全然前に進まないんだよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい?」
「その上さ、恥ずかしいからヤダって言ったのに人前でハグしてくるし」
「えっと、あの、イタリア君?・・・一体、誰の話ですかそれ」
なんかちょっとおかしい。
どことなく、でも何かが決定的におかしい。
女の子に声を掛け、人前でハグを強要するのは、目の前のこの青年の専売特許ではなかったのか?
自分が今聴いたことが信じられず聞き直すと、イタリアは不思議そうな顔をして
「誰って・・・ドイツの話でしょ?日本聴いてよ、それからねーー」
「ーーーすまない、待たせたか!?」
イタリアが更に言いつのろうと口を開いた瞬間、息を切らせた声が耳に飛び込んだ。
「あ、ドイツさん」
声のした方を見やれば、話に上がっていた張本人が小走りでやってくる所で。
見たところお元気そうですね、よかったーーていうかなんかいつもより近くまで来るのは気のせいじゃないですよねーー
そこまで考えて、日本の視界が黒く染まった。
「久しぶりだな日本。元気にしていたか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は」
一瞬ではあったが確かに、ぎゅ、とハグされた。
してきた相手はドイツだ。
ああ、目の前が黒かったのは彼の上着の色か。
ーーーーーーーーーで。いま、なにがおこった・・・・?
自分の身に起こった事が理解できず、ぽかん。としていると、隣のイタリアが口を開いた。
「もぉ、何してたのドイツ。時間過ぎてるじゃん」
「待たせてすまなかった、道に迷った女性を案内していたら遅くなったんだ」
「はぁ〜・・ホント女の子にはそつないよね・・まぁそれがドイツなんだけどさ」
「確かに女性は大切にするべき存在だが、俺が一番大事にしているのはお前だからな」
「わ・・わかってるからそう言うことこういう所で言わないでってば!」
「あぁ、すまん。ーーそうだハグが未だだったな」
ん、と両手を広げるドイツに、イタリアはぐ、と声を詰まらせる。
「・・・イタリア」
くす、と笑って名前を呼ばれ、顔を紅くしたイタリアが、大人しくその腕の中に入った所で、意識を取り戻した日本が叫ぶ。
「だ・・・誰だあんたらぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「いいですか、よく思いだしてください。二日前にお会いしたときにはお二人とも普通でしたよね?」
突然の絶叫に驚いた二人をとりあえずベンチに座らせ、その前に立つと、日本は押さえた声で切り出した。
「・・・・・二日、前・・・?」
「G8の会議の日だな、日本は〆切があると言って帰った」
「あぁ!あれか〜」
「お前は何時も通り遅刻してきた癖に腹が減ったと騒いでーーーーん?」
「ヴェー。だって可愛い子が道に迷ってたんだもん、放っておけないでしょ・・・・・て、あれ?」
何か、おかしい。
ようやくその事に思い至ったらしい二人に心中安堵のため息をついて、日本は再び声を掛ける。
「お二人とも気付きましたか?・・・なにか、おかしいんですお二人とも。私の認識では、女性とみたら声をかけて、公衆の面前でハグを強要するのは、ドイツさんはなくイタリア君です。そして、時間に正確で、遅刻してきた相手にその理由を訊くのは、イタリア君ではなくドイツさんなんです」
たった二日で、一体何があったんですか。
まるで、お二人の性格が、一部入れ替わってしまったようですよ。
そう、言った瞬間。
『可愛げってもんを授けてやるよ』
脳裏にフラッシュバックした、まゆげの顔と台詞に。
「ーーーーー!!あの時か!!」
「ああああああのくしゃみ眉毛ぇぇぇぇ!!!」
同時に立ち上がった二人の台詞に、一瞬で事の元凶を理解した日本が入れ替わりで膝をついた。
「・・・・・頼みますよイギリスさん・・・・!!!」
とりあえず訓練は中止、家に帰って速攻で電話して問いただした所、あのくしゃみの呪い(本人曰く奇跡の魔法、だそうだ。電話でなく目の前にいたら一発ではなく殴っていただろうが電話だったのが残念で仕方がない)の効果は、5日、とのことだった。
「5日、かぁ・・・」
「あと3日、だな」
はぁ、とソファに沈み込む二人に、日本は複雑な顔で紅茶を口に含む。
「とりあえず、これまでの話を総合すると、どうやらお二人は、好きなものと、それへの態度を入れ替えられたようですね」
どこか疲れた顔でお互いを見やるドイツとイタリアは、早い話がそのとおりだった。
今のドイツが好きなものといえば、女性、ピザ、シエスタ、トマト、パスタ、サッカー、ジェラート、歌、絵。
そしてイタリアはといえば、ビール、ヴルスト、カルトッフェル、秩序、時間を守ること、本、散歩。
それ以外の基本的な性格はそのまま、という中途半端なんだか徹底しているんだかよく分からない奇跡の結果、出来上がったのは、
「仕事はしっかりやるけどシエスタもかかさない、理由があれば遅刻は仕方ない。愛情表現は示してなんぼ」というドイツと、
「仕事とか面倒だけど終わらせないと気持ち悪い。愛情表現とかこそばゆいし勘弁して」というイタリアだった。
しかもなまじっか本来の自分を覚えている分たちが悪い。
「・・・あんなに遅刻ばっかしててよく平気だったなぁ、俺・・・」
「それを言うなら俺もだ・・・お前を前にして何故あんな態度ばかり」
「ドイツさんそれ以上は自重してくださいね。間違いなく3日後にヒモなしバンジーしたくなりますよ」
今にも手をとって愛の言葉を紡ぎ出しそうなドイツに、すかさず釘を刺す。
う゛、と声を詰まらせ動きを止めた男にため息をついて、ちらりと目をやった壁には、カレンダー。
「・・・とりあえずやっかいなのは、明後日の世界会議、ですね」
基本的な性格はそのままで、寧ろイタリアが仕事をするようになっている分効率はいいはず、なのだけれども。
どうなることやら。
三者三様のため息が、静かな部屋にひびいた。
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あの堅物のドイツが軟派になった、という噂は、たった一日で世界中に広まった。
でもまぁ、あのまゆげのやることだし。
過剰な期待はしない方向で。
世界会議当日、イタリアと日本を覗く世界各国は、そう目配せして会場に入る。
ちなみにドイツはまだ来て居ないのだが、その事実だけでも「何かあったな」とわくわくしている国、数知れず。
「へぇー・・・ホントに遅刻するんだ」
「ロシアさん・・楽しそうな所すみませんけど、まだ会議は始まってないので遅刻とは言えませんよ」
「え、でもだってこのまま遅刻だったら、次の会議でドイツ君凄い顔するんでしょ?楽しみだなぁ。魔法が効いてるうちに会議があって本当によかった」
(イタリア君を迎えに行かせたのは正しい判断だったようですね・・・)
聞こえてきた会話に、思わず複雑な顔で顔をそらした日本の視線の先で、勢いよく会場のドアが開いた。
「っはぁ、はぁ・・よかった・・間に合った・・・」
駆け込んできたイタリアの台詞に、どこからともなく「おぉ・・・」という感嘆の声が上がる。
(イタリアが時間通りに来て遅刻を回避するなんて、これは本当に変だ!)
「こらイタリア、扉はもっと静かに開けるものだ」
そしてその後から入ってきた長身の人影の台詞に、「なんだ・・」という雰囲気が満ちた。
(何時も通り威圧感満々だし、言ってることも普通じゃねぇかつまんねぇの)
口には出さないが、いろんな国がそう思いながらも、何か起きないかと二人をガン見している。
そんな風に注目を集めていることなど何処吹く風で、ドイツはイタリアの手を取った。
「扉にぶつからんばかりの勢いだっただろう?手は痛くはないか?」
(前言撤回!めちゃくちゃおかしいです、サー!!)
ぷぅ、と吹き出した国あり、ぽかん、と口を開けたままの国あり。
このままだとその場で大変な事を口走る、と嫌な予感がしたイタリアは、若干青ざめた顔で「大丈夫だよ!ホラ!!」と手を振って見せた。
「そうか?・・・もし後になって腫れてきたりしたらすぐ言えよ」
お前の手はいろんなものを生み出すためにある、大事な手だからな
握ったままだった方の手に、ドイツが唇を寄せた瞬間、会場が一気にわいた。
「あーっはっはははははもうダメだ耐えられないイギリスきみ最高だよ誰だいあれ!?」
笑い転げる若者。
「いや・・・俺にもよく分かんねぇ・・・つーか痛ぇよ叩くんじゃねぇ馬鹿力!」
とまどう諸悪の根源。
「ちょ・・・ドイツあなた・・もっと!もっとやりなさい!ホライタちゃんも恥ずかしがってないで!そう!そうよどんとっちゃいなさいハァハァ!!」
どこからかカメラを取り出すお姉さん。
「うわぁ・・・ドイツさん、凄いですねぇ・・・」
「・・・おめも、言っでほずぃか?」
「ええええええいいいいいえ良いですスーさん僕は良いですごめんなさいうひゃぁぁぁぁ」
いちゃつき始める夫婦。
他、「ビデオ持ってくればよかったわぁ」とのほほんと呟くものや、「ガリア・・・親戚って、ホントだったんだ・・」「いや・・お兄さんも今それを自分で思い知ってびっくりしたとこよギリシャ・・・」呆然と眺めるものに囲まれて、日本は片手で顔を覆った。
(とりあえずあの写真は後で焼き増しして貰うとして)
「ーードイツさん!会議をはじめましょう!」
よし、と腹をくくって声を掛ければ、トマトの様に紅くなった顔のイタリアが、助けを求める様に日本を見る。
「あぁ、そうだな。ーー昼の休憩まであと3時間しかない」
3時間で一通り終わらせるぞ。
「皆、席についてくれ!」
会場を見回してそう号令を掛けるドイツは、何時ものドイツそのもので。
「ふーん・・・本当に普段の性格はそのまんまなんだぁ」
(休憩の時間から逆算する、というのがとても気持ち悪いけれど)
まあ後でまた色々あそぼ。という顔をして、それぞれが自分の席に向かう。
そして、ハンガリーやリヒテンシュタインの椅子を引いて座らせるドイツに、また会場がざわついた。
会議は無事に終わった。ーーーこれ以上無いほどスムーズだった。
何時も通り滅茶苦茶な発案をしたアメリカが、イギリスに理論的に叩かれて、それにフランスが茶々を入れた所で、意外な声がその流れをぶった切ったのだ。
「あのさ、時間が勿体ないからさくっとまとめてさっさと終わらせようよ。とりあえず案1は没、でいいんでしょ?」
兄とは違って普段滅多に見せない、不機嫌な顔をして。
頬杖をついて、トントン、と資料を指先で示してみせるその人は、紛れもなく、
「い・・・いたりあ・・・?」
まさかいつも落書きしたり紙飛行機を追ったり昼寝したりしている弟分からそんな指摘をされるとは思っても見なかった国々が、ぽかん。と口を開けた。
「何?・・・反論はないんだよね?じゃあ次いこう、ドイツ」
彫刻か何かの様に整った顔で、落書きもせず歌いもせずお腹がすいたとごねもせず、まともなことを言うイタリアは、
(ーーーー怖ぇぇぇ!!! おかしいとか気持ち悪い通り越して怖ぇよイタリアの真顔!!)
なまじっか顔が綺麗だと、いつもの暖かな笑顔がないだけで、どこか近寄ってはいけない様な雰囲気を醸し出していて。
しん、と静まりかえった会場に、「そうだな、次に行くか」と、何の疑問も持っていないらしいドイツの声が響き渡った。
この日のイタリアの恐怖は、いくつかの国の心にトラウマとして残り、2日後元に戻ったその笑顔に、思わず涙するものまでいたという。
ちなみにドイツはといえば、魔法が解けた瞬間ヒモなしバンジーはしなかったものの、家に引きこもった。
一歩も外に出ようとしないドイツの家の前で「ドイツー、ドイツー」と呼ぶイタリアの声に根負けし、ようやく扉を開いたのは3日後。
家の中はぴかぴかに磨き上げられていたそうだ。
・・・そして、世界は今日も平和である。
「はぁーでも元に戻って本当によかった!戻らなかったらどうしようと思ったもん」
「・・・まあ、お前が女性に声を掛けるのは本能の一部であると言うことは良く理解できた」
「ヴェー・・見てる方は気が気じゃなかったんだからね!」
「・・・そうなのか?」
「あったりまえだよ!ドイツただでさえ格好良いのに、あんなに優しかったら女の人が放っておかないでしょ!」
ドイツの優しい顔とか手とかは、俺だけが知ってればいいの。
「・・・・・・・・・・・・・・あ、のな、イタリア」
「なに?」
「言っておくが、今の台詞はお前がふらふら女性の所に行くたびに俺が味わっていた気分を的確に再現していたぞ」
「ふえ?」
「全く・・・いつも『フラフラするな』と言っていた俺の言葉の意味を考えたことなどないだろう、お前」
「え・・え?」
「俺以外のやつに、簡単に『好き』とか言うな。フラフラ寄っていくな。手の甲にキスとかするな腹が立つから」
「・・・・・・えっと、ドイツ・・?魔法、もうとけてる・・よ、ね・・?」
「さぁな」
「!!ヴェー!そのにやり笑いは反則だっぅんーー!」
「ーーー後遺症が、残ってるのかもしれんな」
「ふ、はぁ・・・どいつ?」
「さてイタリア。俺の中に残ってるイタリア的な成分を返却したいんだが、受け取って貰えるよな?」
「へ・・あ、え・・?ヴェェェェェェ!!?」
おわれ。
えーと・・・何がしたかったんだろう・・・(しょっぱなそれか/笑)
寝る前に布団の中で突如思いついたネタを、居ても立っても居られなくなって感情の赴くままに書いてたらこんなんでました。
とりあえず軟派なドイツに、書いててなんども吹きそうになりました(可哀想な子!)
でも楽しかった!(*´∀`*)ノシ
09.10.23 伊都
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