注意書き

髪の長いドイツを描こうと思ったら、これでもか!ってくらい別人になりました。
別人独&中世っぽいパロを許せる。という心の広い方のみどうぞ!




































長髪イタを描いたら、長髪独も描きたくなりました(笑)

ホント誰?って感じになりましたが、描いてて楽しかったでry





*(今回もあるよ!/笑)下にコレ描いてたときに頭の中で拡がってた妄想↓











・・・あぁこれは、

「ヤバイ、かもしんない」

そんな言葉が、思わず口をついて出た。



イタリアは、生まれたときから魔楽師だった。
そして、6才の時からかれこれ10年、「歌えない魔楽師」として生きてきた。

魔楽師は本来、自分専用の楽器とその声を武器に、人に危害を加える獣や魔獣を鎮める事を生業とする者達だ。
イタリアは物心付いたときから独りでに歌を歌い、周囲の動物や魔獣さえも従えるほどの力を持つ魔楽師だった。
彼がその愛らしい声で歌を紡げば、鳥や獣はその周りに集い、畑を荒らす動物たちも、歌が終われば静かに森へと帰る。

そんな彼を、人々は「神に愛された歌い手」と呼び、ゆくゆくは歴史に名を残す魔楽師になるだろう、と言われていた、のだが。



『ーーーー!!いっちゃヤダ!ずっと一緒にいようよ!』


待って。待って。行ってはだめ、


必死に引き留める声にも、遠ざかる背中は答えない。

心から信頼していた、日の光にもにた金の色を持つ少年が側を離れてから。
イタリアは、歌うことが出来なくなった。

あまりにも少年に心を許し、側にいることを望むその姿に、少年がいつかイタリアの声を悪用するのではないかという疑念から、
教会がその少年を自警団に強制的に入団させたのだ、という話を聴いたときには、イタリアはすでに歌い方をすっかり忘れてしまっていた。


歌い方を忘れた魔楽師は、魔楽師としては生きてゆけない。


イタリアは、成人するのをまって、16で村を出た。




「その、矢先にこれかぁ・・・俺、ホントついてないや」


背中に当たるのは、堅い岩の感触。

鋭い爪にえぐられた左足の太ももは、ズボンごと真っ赤に染まっている。


村から結構な距離離れた、この州で最も大きい街まであと少し、という所で。
イタリアの目の前には、その目と牙を光らせた魔獣が立っていた。



ーーーやっと、あの子を捜しに行く事が出来ると思ったのに。


足は動かない。唯一持っていた剣は、手の届かない所におちている。


ーーー俺、ここで死ぬのかな。


魔楽師としての歌も失った。多少の剣の覚えはあったものの、太刀打ちできる相手ではなかった。
結局、何一つ為す事無く散るべき存在だったのかも知れない。
そんな考えがふと浮かび、イタリアは来るべき衝撃を前に、悟ったように目を閉じた。



獣が動いた、気配。


殺気が、すぐ目の前に迫って。




「おい、大丈夫か!?」
「ーーー!?」



一瞬で吹っ飛んだ獣の気配に、驚いて目を開けると。

目の前には、褐色のーー自衛団の、軍服と。


日の光にも似た、





金の色。





ーーーーilure ma tipsua deu ru.




その姿を見た瞬間、自然に唇から歌が溢れ出た。

10年ぶりに歌う、自分の歌。


この人が、目の前にいるという奇跡を。
この人を、守る力を。


初めて聴くのに、ひどく懐かしい旋律に乗せて、イタリアの声が街道に響き渡った。





・・・〜es millena dui terra.




歌が終わった時には、獣の姿は既に無く。


「・・・あんた、有名な魔楽師か何かか?あんなに綺麗な歌は、初めて聴いた」

陶然として歌を紡いでいたイタリアは、その声に我に返り、ようやく目の前の人の姿を、その両目でしっかりと映す。

「・・・俺、歌ったのは10年ぶりだよ。ーーありがとう。貴方のお蔭で、歌をとりもどせた」

「・・・?俺は何もしていないが。兎に角、その足を治療しよう。街まですぐだ、肩を貸す。それともおぶさるか?」

「うん。ーーねぇ、今日、ここに来てくれて本当にありがとう」

「気にするな、見回りの一環だ。何にせよ間に合って良かった」

なんでもない様に笑って、背中を貸すために振り返った拍子に。

長く延びた金の線が、日の光を反射してきらめいた。



(君は、覚えてないみたいだから今は言わないけど)


ーー俺はずっと、君が好きだったんだよ。
俺の魂の片割れとも言える、自分の歌を君に預けてしまうくらい、好きだったんだよ。
10年たっても変わらず、俺を映すその瞳に。
俺を守るその背中に。
俺に歌を返してくれたその存在に。


俺はまた、新しく恋をしたよ。


(今は言えないから、代わりに君が返してくれた歌を、歌おう)


そして、街道にまた歌が響く。




ていうかオールバックで後ろ伸ばしたらガチで王兄上になったんだぜ・・!(苦笑)
独伊でファンタジー!は一度やってみたかったんです。
書いてたら(小話としては)結構長くなったので、そのうちテキストページに収納するかも知れません。
あともの凄く余談ですが、この独は小さい頃の記憶がありません。
とりあえず本能でイタを守ってると良いと思います。遺伝子に組み込まれた独伊。あ、何か良くない!?(帰れ)

09.01.23 伊都