ふと「彼らは髪が伸びてきたらどうするんだろう」と思って描いてみた&書いてみたであります。
何故とかは訊いちゃダメ。
てなわけで下にいつもどおり、コレ描いてた時に頭の中で広がってた妄想でーす☆
「qwatch!!」
クソ、と毒づきながら部屋に入ってきた長身の人影に、イタリアはぱちぱちと目をしばたかせた。
忌々しい、と舌打ちせんばかりの表情でかぶっていた帽子を取る男は、いつも通り模範的な軍服に身を包んでいて。
「おかえりドイツー。どうしたの何かあった?」
ててて、と側によって見上げれば、冬の澄んだ湖の様な蒼色の瞳がこちらを向いて、ついで聞こえたのはため息。
「どーいつ。何か言われたの?」
苛つく気持ちを押さえる様にそらされた瞳に、首を傾げて待っていると、低い声がぼそりと言う。
「髪が、伸びていると」
「・・・・・ヴェ?」
「髪が、伸びているのは、規律違反だと。『国家ともあろう者が頭髪に気をかける余裕もないのかね?』などとぬかしやがったクソシュヴィーナーの青二才が!!貴様等のお陰で床屋に行く暇もないというのに何故そんなことを言われなければならんのだ!!俺の髪が誰かに迷惑をかけたことがあったか!?あぁクソ、返す返すも腹が立つ!!」
「ど、どいつ落ち着いて」
軍帽を握りつぶさん勢いでまくし立てる相手の髪に目をやれば、確かに襟足がそれなりに伸びていて。
「うーん・・毎日見てると気づかないもんだねー。俺は長めなのも格好よくて好きだけどなぁ・・シュヴィーナーさんってこないだ会ったおじさんでしょ?そう言うこと気にしそうな人だったもんねぇ」
でもおじさん相手に青二才ってドイツ・・と笑ってみせると、頭に昇っていた血が少し落ち着いたらしい、青年は気まずそうに視線をそらした。
「う・・いや、その、つい。ーーーすまなかった。嫌な話を聴かせてしまったな」
そういって軽く頭を下げるドイツに、イタリアは苦笑するしかない。
「もードイツって本当にさぁ・・俺は気にしないよ?ドイツがどんな話を聴いて、どんな気持ちになったかとか知りたいと思うもん。ーーあ、そうだ。ねぇドイツ、それでその髪どうするの?」
「・・・ああ言われた以上、早急に切りに行かねばならんだろうが、いつも行っている床屋は今休暇中なんだ。どうしたものか・・」
「じゃあ俺が切ってあげる!」
はいはーい、と手を挙げて言うと、驚いた顔のドイツが自分を見た。ついでその表情が不信感を露わにする。
「お前・・人で遊ぶなとあれほど」
「遊びじゃないであります!俺いつも兄ちゃんの髪切ってるから慣れてるんだよ?そんで俺の髪は兄ちゃんが切ってくれるの。ウソだと思うなら兄ちゃんに訊いてみてよー」
なんなら今から電話しようか?と電話を振り返ると、焦ったような声がした。
「いやいい!解った信じる!・・・でも良いのか?」
「何がー?」
「いや・・その、お前も忙しいだろうし」
「大丈夫だよーそんなにかからないし!」
にこ、と笑って言えば、ドイツもつられて苦笑する。
「では、頼む。・・・謝礼は、何がいいだろうか」
「お礼なんていらないよ。ドイツがありがとうって言ってくれれば十分!」
何を言い出すかと思えば。そう思って言ったのだが、相手は納得しなかったようで。
「普段金銭を払ってしてもらっていることを頼むんだ、何か謝礼をするのがスジという物だろう」
まじめな顔でそんなコトを言うものだから、イタリアは思わず吹き出してしまった。
「ドイツって本当に損な性分だなぁ・・俺が良いって言ってるのに気にするんだね。うーん、じゃあそうだなぁ、気に入らなかったら本当に何もいらないよ。で、悪くないと思ったらキス一回!」
「・・・気に入った場合には?」
「ヴェ?」
またからかうなって怒られるかな、と思いながら言った台詞に、思わぬ返しがあってイタリアは一瞬ぽかん、としてしまう。
そんな自分にくす、と笑って、ドイツが口を開いた。
「気に入った場合には、どうすればいい?・・俺が決めて良いのか?」
その、顔が。
少し伸び気味の髪と相まって、いつもよりセクシーで。
「う・・・うん」
どくんどくん、と騒ぎだす心臓を自覚したままうなづいて、聞こえた台詞にイタリアは今度こそ真っ赤になった。
「じゃあ気に入ったらキス、だな。・・・お前が腰ぬかす様なエロいやつ」
散髪後、結局どのお礼が支払われたのかは、二人しかしらない。
イタリアはのだめレベルで自分で切ってるのに超綺麗。とか面白いかと思ったのですが、折角なので切り合いっこという事に。
寧ろプロイセンが自分で切ってたら萌えるですよ。
俺様上手すギルぜー ̄∀ ̄* ケセセセセ!
10.01.05 伊都
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